ロッキード事件陰謀説

諸説

ヘンリー・キッシンジャー(左)とジェラルド・フォード(右)後に事件当時のジェラルド・フォード政権の国務長官であったヘンリー・キッシンジャーが、『ロッキード事件は間違いだった』と中曽根康弘に述べたとされる(ただし、どのような意味で「間違い」だとしてるのかは不明である)。

その他にも、この事件が発覚する過程において、贈賄側証人として嘱託尋問で証言したロッキード社のコーチャン副社長とクラッター元東京駐在事務所代表が、無罪どころか起訴すらされていない点、ロッキード社の内部資料が誤って上院多国籍企業小委員会に誤配されたとされる点など、事件に関連していくつもの不可解な点があったため、ソ連やアラブ諸国からのエネルギー資源の直接調達を進める田中前首相の追い落としを狙った石油メジャーとアメリカ政府の陰謀だったとする説、または中華人民共和国と急接近していた田中を快く思っていなかったアメリカ政府が角栄を排除する意味があったとする説がある。


誤配説

誤配説に対しては『ロッキード社の監査法人であるアーサー・ヤング会計事務所がチャーチ委員会から証拠書類の提出を求められ、すぐに証拠書類を提出したものの、顧客秘守義務の観点から、すぐに手渡してしまったということが判るとロッキード社との関係上都合が悪いため、事実を隠すために誤配説を流布した』という説もある。また、当初アメリカ政府が日本の国内事情を考慮して捜査資料の提供を渋っていた事実もある。


コーチャンとクラッター

コーチャン、クラッター両名が起訴されていない点については、両名に対する嘱託尋問がアメリカで行なわれるに際して、日本の検察が刑事訴訟法248条に基づき事実上の免責を与えたのが直接的な理由である。アメリカに在住する両名を起訴することは実質的に不可能であった(日米犯罪人引渡し条約の発効は1980年、国際贈賄防止条約の発効は更に遅れて1997年)事を考えれば、両名が起訴されなかったことに不審なところはない、という反論もある。